3分で丸わかりゴルフ4大大会の魅力と歴史~マスターズ・トーナメント篇~
プロゴルファーたちが目標に掲げるのが「4大大会制覇」。日本人選手はもちろん、世界中のプロゴルファーたちが集まり、しのぎを削り合う姿は多くのファンを魅了します。その中でも「ゴルフの祭典」とされているのがマスターズ・オープン。シーズン開幕直後に行われる個性満点なトーナメントの概要を紹介します。
すべてのゴルファーの憧れ!? 「ゴルフの祭典」の由来とは?
マスターズ・トーナメントと言えば、毎年4月の2週目の日曜日を最終日に基準に開催されるシーズン最初のビッグタイトル。ゴルフシーズンの開幕を告げる4大タイトルとしても知られています。
そんなマスターズ・トーナメントの開催は1934年。当時のアメリカは全米オープンが定着してゴルフ人気がピークを迎えていた時期でした。「球聖」と称され、いまだにアメリカ人最高のゴルファーとしても名高いボビー・ジョーンズと友人のクリフォード・ロバーツが新たなトーナメントを作ろうということで始まりました。
マスターズ・トーナメントは毎年会場が変わる全英オープンなどの大会とは異なり、オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブで開催されるのも大きな特徴のひとつ。そのため創設当初の大会名も会場名にちなみ「オーガスタ・ナショナル・インヴィテーション・トーナメント」というものでした。
オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブと言えば、13番ホールのアザレアをはじめ草花が咲き誇る世界屈指の美しさを誇るゴルフコースとして知られていますが、コース自体はとても過酷なもの。中でもグリーンは大小の傾斜が重なり合うほどの難コースで、経験者からは「オーガスタのグリーンは魔女が棲む」とさえ称されるほど。
他にも11番~13番ホールは神様に祈らないと無事に通過できないという言い伝えから「アーメン・コーナー」という異名を持ち、1978年のマスターズ・トーナメントに出場した中島常幸は13番ホールでワースト記録となる13打も叩いてしまい優勝戦線から脱落したという苦いエピソードがあります。
難コースが続き、過酷すぎる舞台で行われるマスターズ・トーナメントですが、世界中のゴルファーたちからは「ゴルフの祭典」と称され敬愛される大会としても知られています。その理由としては出場選手たちの「格」が問われるという点です。
マスターズ・トーナメントに出場できる選手は歴代のマスターズ優勝者をはじめ、過去5年間の世界3大オープンの優勝者、そして全米・英のアマチュア優勝者など招待資格は他のトーナメントよりもかなり厳格。その名の通り“マスター”しか出場できないことから、出場すること自体に意味がある大会として知られています。「ゴルフの祭典」と呼ばれる所以がそこにあります。
そんなマスターズ・トーナメントの個性的なポイントと言えば、賞金が観客次第というところ。というのも大会出場者たちに支払われる賞金は大会が開催される3日間の入場者のフィーから経費を差し引いた金額を原資にしているため。通常はギャラリーと呼ばれる観客がマスターズ・トーナメントでは“パトロン”と呼ばれるのはそれが理由です。
とはいえ、マスターズ・トーナメントの賞金総額の相場は1000万~1100万ドル(約10億円)で優勝賞金180~190万ドル(約2億円)は全米オープンらともそこまで遜色はありません。そのため観戦時にかかるフィーが非常に高く、例えばマスターズ・トーナメント名物のパー3コンテストから決勝ラウンドまで観戦すると1人当たり総額100万円を超えることもザラ。観客がパトロンと呼ばれる理由がなんとなくわかりますね。
優勝者にはこの優勝賞金に加え、グリーン・ジャケットが贈られ、オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブの名誉会員となり、マスターズ・トーナメントの生涯出場権が与えられます。同じゴルフコースで行われる大会だけにベテラン選手が活躍する傾向があり、2019年も過去にこの大会を4度制していたタイガー・ウッズが14年ぶりに優勝し、大きな話題となりました。
ベテラン選手の復活など、強い選手が強いゴルフをして勝利する傾向が強い「ゴルフの祭典」マスターズ・トーナメント。2020年に優勝するのは果たして誰なのでしょうか?