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スペシャルインタビュー①静かな手応えと、特別な時間。岡山絵里とカーセブン プロアマ

年末の宍戸ヒルズには、少しだけ特別な空気が流れていた。「第7回 カーセブン プロアマゴルフカップ」。プロゴルファーと企業関係者が集うひとときだ。

コースにはテレビカメラが入り、ラウンド前後にはマッサージブースやトークセッションも用意されている。いわゆるプロアマの枠を少し超えた演出が、この大会の特徴でもある。

「スペシャルな感じがありますよね」。そう話すのが、岡山絵里だ。数多くのプロアマを経験してきたが、「テレビが入るプロアマは、あまりない」と、この大会ならではの空気を感じ取っている。

スクランブル形式でゲストと過ごす時間についても、「お客さんと話す機会が増えるので、楽しいです」と笑顔を見せた。競技とは違う距離感でゴルフに向き合えることが、岡山にとって心地よい時間になっているようだった。

カーセブンの話題になると、言葉は自然と和らいだ。「井上社長がツアー会場にもいらして、気にかけていただいているのが伝わってきます。そういうのは、やっぱり心強いです」。直接顔を合わせる機会は限られていても、その姿勢は選手に伝わっている。

今季を振り返ると、一度言葉を選んだ。「シードも落としましたし、試合に出られない時期もありました。でも、それを踏まえたら、よく頑張ったと思います」。一度その立場を失ってから、再び戻る。その道のりが簡単でないことは、本人が一番よく分かっている。「一度離れると、そのまま厳しい状況が続く選手も多い中で、ここまで来られたのは、諦めなくてよかったなと思っています」。そう言って、穏やかな表情でうなずいた。

英国・ウェールズで行われたメジャー最終戦「AIG女子オープン」では、第1日に首位に立つなど存在感を示した。「普通に楽しく回っていました。え、1位なんや、っていう感じで」。だが、第2日は一転、強風に翻弄される。「洗礼を受けた、という感じでした」。日本とはまったく異なるリンクスの難しさ。どこに打っていいのか分からず、キャリーの計算もできない。風と地面の硬さに支配される感覚は、結果以上に強く記憶に残ったという。「すごい落ち込みましたけど、いい経験でした」。そこに気負いはなく、経験を次へつなげようとする静かな視線があった。

来季について尋ねると、即座にこう答えた。「ケガなく、ですね。あんまり欲をかかずに。楽しくプレーしたいです」。大きな目標を掲げるよりも、今の自分と丁寧に向き合う。そのスタンスは、この数年を経て自然と身についたものだろう。「夏場は調子がいいと思っているので、そこで頑張れたら」と、控えめながらも確かな意欲をのぞかせた。

取材を通して印象的だったのは、終始変わらない柔らかな表情だった。言葉を選びながらも、どこか自然体。過去を必要以上に語ることも、未来を大きく描くこともしない。

最後に、井上社長へのメッセージを求めると、少し照れたようにこう締めくくった。「これまで変わらず、気にかけていただいてありがとうございます。これからも、よろしくお願いします」。

特別な一日を特別に語らず、静かな手応えを胸に、年末の宍戸ヒルズで岡山絵里はまた一歩、前を向いた。