スペシャルインタビュー④迎える一日、その先へ 川岸史果とカーセブン
プロにとって、スポンサーの存在は大きい。その期待に、結果で応えたいという思いが、自然と強くなる。年に一度、この大会で川岸史果は、ゲストを迎える側にいる。
「すごく楽しい雰囲気でしたね」。ラウンドの空気は、終始和やかだった。毎年顔を合わせるメンバーも多く、「成績、見てたよ」と声をかけられる。ゲスト同士も顔なじみで、自然と会話が弾む。「あっちは負けたくないね」。そんなやり取りが交わされ、笑い声が絶えなかった。
数日前、同じ宍戸ヒルズでファイナルQTを戦っていたとは思えない光景だった。舞台は東コース。競技とプロアマでは意味合いは違う。だが、ラフの感触、グリーンのスピード、視界の奥行き──記憶に残る景色には、どこか重なる部分がある。「QTの続きみたいな気分になりました」。そう口にして、当時を振り返った。

今季、川岸はメルセデス・ランキング60位でシードを落とした。ただ、秋以降は、状態が上向いていた。日本女子オープンやTOTOジャパンクラシックに出場できない週を使い、このコースに足を運び、QTに備えた。結果は10アンダー、6位。来季前半戦の出場権を手にした。
長く支えになっているのが、カーセブンの存在だ。契約は2017年から続く。ツアーを転戦するなかで、移動のたびに必要となるレンタカー。その負担を気にせずに済む環境が、どれほど助けになるかは、選手ならよくわかる。
「年間30試合以上になりますから」そう前置きして、「井上社長は、いつも選手の立場で声をかけてくれる」と続けた。その姿勢こそが、関係を長く支えてきた理由だろう。
31歳。今季を振り返ると、話題は自然と体のことに及んだ。技術や調子以前に、コンディションの整え方が難しくなってきた。首の寝違えを繰り返し、万全とは言えない週もあった。それでも、大きく崩れなかったのは、自分の状態を受け入れながらプレーしてきたからだ。
年末年始は、トレーニングと休養をバランスよく取り、1月中旬以降から本格的に動き出す予定だという。来季については、言葉を選ぶ必要もなかった。「もう、優勝を狙っていくだけですね」。QTを終え、プロアマを終えた今だからこそ、すっと出てきた言葉だった。
競技とプロアマ。緊張と、わずかな余白。その間を行き来しながら、視線は、すでに次のシーズンへ向いている。












