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祝!東京オリンピック日本人初の銀メダル獲得!!稲見萌寧のクラブセッティングをチェック!

東京オリンピック女子ゴルフで銀メダルを獲得した稲見萌寧。日本人史上初となるゴルフ競技でのメダル獲得という快挙を達成しましたが、そんな彼女の躍進を支えたクラブセッティングに注目してみました。

大舞台で輝いた“はざま世代のダイヤモンド”

現在の日本の女子ゴルフ界と言えば渋野日向子や東京オリンピックに出場した畑岡奈紗がけん引する1998年生まれの「黄金世代」、そして西村優菜、古江彩佳らが鎬を削る2000年生まれの「プラチナ世代」が有名ですが、その間に挟まれた1999年生まれの選手たちはというと、これといった選手がいなかったため、ついついはざま世代、すき間世代という形であまり語られることがありませんでした。

その世代の代表としてこの夏、大ブレークを果たしたのが稲見萌寧です。

2018年にプロテストを合格すると、2019年にはルーキー・オブ・ザ・イヤーを渋野日向子らとともに受賞するなど、実力はゴルファーとして知られていましたが、彼女が輝いたのは2021年。シーズンが再開した中で迎えた明治安田生命レディスでツアー3勝目を飾るとそこから勝ち星を4つも上乗せして、世界ランキング27位、日本人女子2番手となる順位に上げて東京オリンピックへの出場権を勝ち取りました。

迎えた東京オリンピックでも2日目に6位タイにまで接近すると、3日目には3位タイに上昇。最終日には首位のネリー・コルダを猛追して見事に銀メダルを獲得するという日本ゴルフ史上初の快挙を成し遂げました。

華々しくなくとも地道で練習の虫として知られ、試合前の焼肉、特に冷麺が大好物ということが話題になった彼女ですが……そんな彼女の強さの源となるクラブセッティングはどんなものなのでしょうか?

<東京オリンピックにした出場した主な女子選手のクラブセッティングはこちらをチェック!>
畑岡奈紗のクラブセッティング
笹生優花のクラブセッティング

一度決めたらなかなか変えないこだわりのクラブセッティング

○ドライバー
キャロウェイ MAVRIK SUBZERO(10.5度)

稲見萌寧は契約フリーのプロゴルファーということでメーカーを問わず様々なクラブを使うことでも知られていますが、その一方で気に入ったクラブは何年も替えないというくらいにこだわりの強い選手としても知られています。中でもここ2年、不動となっているのがドライバーです。

彼女が愛用しているキャロウェイ MAVRIK SUBZEROはAIが生み出したフラッシュフェースという技術でボール初速が格段に向上した「MAVRIK」シリーズの中上級者向けのドライバー。コントロール性を重視したヘッドは450㎠とやや小ぶりで、ライ角もフラットになっているため、左へのミスが出づらく、強くたたきに行くことができるようになっています。

そしてスクリューウェイトはソールの前後に配置され、それぞれの重さ(14gと2g)の位置を調整することで、打ち出しの角度やバックスピンの量を調整できるなど、自分仕様に変えられるのが大きな特徴です。

○FW&UT
スリクソンZX(3番15度・5番18度)
ブリヂストン ツアーB JGR (4番22度・5番26度)

FWは昨年までブリヂストン ツアーB JGRを使っていましたが、2021年からはスリクソンZXにチェンジ。反発性能を上げるために剛性の高いエリアと低いエリアを交互に配置して4層構造にしたことで大きなたわみを生み出し、ボールをより遠くへ飛ばせるように。ヘッドのシャロー化が進んだことで低重心設計とフェースの薄肉化で反発力も上げて高い弾道で大きく飛ぶようになりました。

ちなみにUTは昨年から変更せずにブリヂストン ツアーB JGRのまま。スピン量にこだわりを持つ稲見萌寧にとってこのUTが現状では最も合っているようです。

○アイアン
テーラーメイド P770 (5番~PW)

「ショットメーカー」の異名をとる彼女にとって、アイアンはまさに命。今季のパーオン率74.4681%で女子2位という正確なショットの相棒となっているのがテーラーメイドのP770。

もともとヘッドサイズが小さめで、操作性の良いものが好みという彼女のアイアン選びですが、テーラーメイドP770はまさに彼女の要求に合わせたかのようにコンパクトな形状が特徴的。

彼女の球筋自体、スピン量が少ないタイプなので、少しでもスピンが入りやすいものでないと弾道の調整がうまくいかないということもあり、しっかりとスピンが入るこのアイアンは彼女の生命線と言っても過言ではないでしょう。

○ウェッジ
タイトリスト ボーケイ SM8 (52度、58度)

ウェッジは以前からタイトリストのボーケイを使用していましたが、今季からSM7からSM8へスイッチ。以前のものよりも進化したために変えたのではと言われています。

SM7と比べ、インパクトの安定性が向上し、飛距離や弾道がより狙い通りのものが打てるようにへと進化。ボーケイ独自と言われている溝の設計によりスピンコントロールはバッチリという点も彼女のプレースタイルをサポートする要因になっています。

○パター
テーラーメイド トラスTB1

基本的に一度決めたクラブからなかなか変えない稲見萌寧ですが、唯一コロコロと買えるのがパター。といってもテーラーメイドのトラスTB1にするか、キャメロンのプロトにするかの2択なのですが。

クラシカルなピンタイプのトラスTB1はヘッドにホーゼルネックを搭載。ミスヒットへの寛容性とインパクト時の打感が向上したモデルなのですが、違和感なく構えられるというのがこのパターの最大の特徴。勝負が掛かる大事な場面なのであくまで自然体でプレーするというのが彼女のモットーなのかもしれません。

中古クラブを合わせれば意外とリーズナブルに再現可能!?

いかがですか? 最新モデルを積極的に取り入れるプロゴルファーが多い中で、彼女のクラブセッティングを見ると意外と旧型のクラブが採用されているケースが多く、中古クラブなどを見ると比較的リーズナブルにそろえることが可能。銀メダリストと同じクラブセッティングで楽しむなんてことも容易にできるかもしれません。

クラブ新調の際には参考にしてみてください!