【祝!マスターズ優勝】松山英樹のクラブセッティングをチェック!
日本ツアーで史上初となるルーキーイヤー賞金王に輝くなど、早くからその才能を開花させていた松山英樹。日本の男子ゴルファーの中でも屈指の実力者ですが、先日行われたマスターズ・トーナメントではなんと日本人史上初の優勝を果たしました。そんな大偉業を支えたクラブはどんなものだったのか、調べてみました。
※文中敬称略
ゴルフ史に残る大偉業を達成。日本中が涙した4月12日早朝
日本時間の2021年4月12日早朝、日本のゴルフ史が大きく動きました。難攻不落と言われていたマスターズ・トーナメントをなんと日本人ゴルファーの松山英樹が優勝。日本人としてはもちろん、アジア人としても初の快挙を成し遂げました。
世界四大メジャー大会でも、メジャー優勝者、賞金ランクの上位者しか出場できない「ゴルフの祭典」として知られる権威ある大会で、毎年オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブで開催されていますが、難易度の高いコースが続き、中でも11番~13番ホールは通称アーメンコーナーと称されるほど。
それだけに実力者だけが優勝することが多いトーナメントで、日本人ゴルファーには縁のない大会となっていましたが、そこを松山が念願の制覇。テレビ中継の解説を担当していた中島常幸、宮里優作が感極まってアナウンサーとともに涙するシーンにもらい泣きした方も少なくないでしょう。
そんな日本ゴルフ史に残る大偉業を成し遂げた松山英樹。もともと日本人ゴルファーでも屈指の実力者でしたが、気になる最終日のクラブセッティングを見ていきましょう。
ちょっとの変化に敏感なバリバリのプロ仕様なセッティング
○ドライバー
スリクソンZX5(9.5度)
グラファイトデザイン ツアーAD DI-8(硬さTX、長さ45.25インチ)
クラブの中で松山英樹が最もこだわっているというのがこのドライバー。過去にはキャロウェイ、テーラーメイド、そしてPINGなど様々なドライバーを使ってきた中で2020年の秋ごろから使い始めたのがスリクソンZX5。当時発売されたばかりの新モデルでしたが、これが松山の好みにピタリとハマっていたと言えるでしょう。
前モデルのZからシリーズ名を変えたZXはそれまで継承してきたカップフェース構造ではなく、「リバウンドフレーム」という新構造を採用。剛性の高いエリアと低いエリアを交互に配したことで大きなたわみを生み出し、結果的に反発性能、初速を大きく上げられるようになりました。
初速が上がったこと、そして今年から目澤秀憲コーチとともに改良したスイングにピタリとハマったことでドライバーにこだわりを持つ松山も納得の1本となったことでしょう。最終日18番ホールで見せた完璧なティショットもこのクラブから生み出されています。
○FW&UT
テーラーメイド SIM2(3番15度)
テーラーメイド SIM UDIユーティリティ(3番19度)
FWとUTはともにテーラーメイドのSIMシリーズを使用。FWのSIM2は地面との設置面積を減らして抜けの良さを実現するVスチールソールを進化させ、操作性が向上。ソールウェイトがより地面に近くなったことで低重心化が実現。ちなみにテーラーメイドのFWでは史上最大の低重心化だそうです。
そしてUTのSIM UDIは軽量の薄型C300マレージング鋼を採用したことでフェースの反発力がアップ。さらにスイートエリアが拡大したことで心地いいフィーリングと大きな飛び、そして高弾道を実現しました。以前のものよりも操作性が上がったこともあり、使い勝手のいい1本となったことでしょう。
○アイアン
スリクソン Zフォージドアイアン (4番~PW)
今大会のスーパーショット連発の原動力となったのが、このスリクソン Zフォージドアイアン。販売されたのは2019年3月からとちょっと前のこと。ドライバーを頻繁に変えている松山がこれだけは変えずに使っているところからも抜群の相性の良さが伺えます。
S20Cという軟鉄の中でもソフトなものを使用したことで、繊細な打感を実現。トッププロの感性を満たすには十分すぎる仕上がりと言えます。そして直線的なフォルムを採用したことでターゲットに合わせやすく構えやすい形状になっているので、上級者にとってはかなり使いやすい1本と言えるでしょう。
ちなみに発売当時、松山はこのアイアンに対して「アドレスしたときに弾道をイメージしやすい」というコメントを残していました。自身の思い通りに振れるため、長きにわたり愛用している所以となっています。
○ウェッジ
クリーブランドRTX4フォージドウェッジ(52度、56度、60度)
ウェッジも大きな変更なく、以前から愛用していたクリーブランドRTX4フォージドウェッジをこの大会でも使用。52度、56度、60度の組み合わせもこれまた今まで通りです。
フェーストップに向かって厚くなっていく逆テーパーブレード設計を採用して上下方向の慣性モーメントを向上させ、安定したアプローチ性能を実現。フェース面にも様々なテクノロジーを採用したことで最高級のスピン性能を誇るように。あらゆるショットでミスなく勧められたことが今回のマスターズ優勝へと大きくつながりました。
○パター
スコッティキャメロン ニューポート2プロトタイプ
優勝を決定付ける18番グリーンでのパター。実はこれ、わずか2週間前から使い始めたというもの。以前前では同じニューポートでもRSSを使用していたのですが、インパクトの際の打感を求めた結果、プロトタイプがハマったという形でした。
マスターズ王者のクラブセッティングは上級者向け!?
いかがでしたか? バリバリのプロ仕様なクラブが多く、ビギナーがそのままマネするのにはちょっと難しそうですが、腕に覚えのあるゴルファーなら試してみたいところ。特にドライバーはマスターズ優勝も相まって大変な人気になること必至です。
クラブセッティングを変更する際はぜひ、参考にしてみてくださいね!