日本人ゴルファー大活躍のメジャー大会!全英女子オープンとは?
プロゴルファーにとっての夢と言われているのが、「メジャー大会制覇」。日本人だけでなく世界中のプロゴルファーが集まる舞台だけにそこでの優勝はまさにゴルファーにとっての最大の栄誉となることでしょう。その中でも今回は比較的日本人が好成績を残している全英女子オープンについて紹介します!
メジャー昇格前から日本人ゴルファーが優勝!
2021年現在、全米女子プロゴルフ女子ゴルフっ協会ことLPGAツアーが制定している女子ゴルファーのメジャー大会は5つ。男子のマスターズ・トーナメントがないかわりにANAインスピレーションや加わり、毎年の洋好スコアが出ることでも知られるエビアン選手権なんかがメジャー大会としてカウントされていますが、その中でもゴルフ発祥の地、イギリスで行われる唯一の大会こそ、AIG女子オープンこと、全英女子オープンです。
男子の全英オープン同様、主催は通称R&A(ロイヤル・アンド・エンシェント・ゴルフ・クラブ・オブ・セント・アンドリュース)が2017年から担当し、運営はIMG(インターナショナル・マネジメント・グループ)が取り仕切っています。
男子の全英オープンが例年7月に開催されていますが、全英女子オープンはその1ヶ月後の8月開催が一般的。記念すべき第1回目が開催されたのはなんと1976年。男子の全米時オープンが1860年に開催、そしてアメリカのメジャー大会と比べるとかなり遅い時期に始まったことが伺えます。
記念すべき開催第1回目の開催地はフルフォードゴルフクラブ。これ以降、全英オープンと同様、開催されるコースは各地での持ち回り制。例題として第1回目はフルフォードゴルフクラブでしたが、翌年にリンドリックで行われるなどしています。
全英男子オープンが5年に一度、セント・アンドルーズで開催される、コースは海沿いが多いというレギュレーションがありますが、全英女子オープンにはこれらのレギュレーションが設けられていないのが大きな特徴となっています。
こうして開催されていった全英女子オープンですが、実は当時はメジャー大会どころかLPGAツアーにすら組み込まれていませんでした。それどころか1983年には開催がなくなるなど退会そのものの存続が危ぶまれた時期もありました。
しかし1984年に一度だけLPGAツアーに組み込まれた年に優勝したのが日本人ゴルファーの岡本綾子。日本人の女子ゴルファーとして初めてアメリカのLPGAツアーに参戦している頃で、メジャー昇格前だったとはいえ2位に11打差をつけるという圧勝を飾ったことは大きな話題になりました。
その後全英女子オープンは1994年以降、LPGAツアーに正式に組み込まれて大会として認知度を上げ、そして2001年にはついにメジャー大会として昇格。女子ゴルファーたちの憧れの大会となりました。
韓国勢の活躍&まさかの大金星をしぶこが挙げる!
晴れてメジャー大会になった全英女子オープン。毎年のように世界中の女子ゴルファーがしのぎを削って参戦してきましたが、意外にも地元のイギリス(イングランド)出身の選手の優勝がなく、カレン・スタップルズが2004年に勝つまで待たねばなりませんでした。その代わりに大きな活躍を果たしたのが韓国の選手たちです。
メジャー大会昇格以前はさほど参戦もなかった韓国のゴルファーでしたが、初年度の2001年に朴セリが優勝、2位に金美賢が入るというワンツーフィニッシュを飾ると、2021年までの20年間で5勝と国別でみると最多勝となっています。
その選手たちの名前を見ると、朴セリ、申智愛(2回)、朴仁妃、キム・インチョンとそうそうたる顔ぶれ。アジア勢でも大きな活躍を見せたことで日本人女子ゴルファーにとって大きな刺激となったことでしょう。
ところが、岡本綾子が優勝して以降、日本人女子ゴルファーの全英女子オープンでの活躍はほぼ皆無。メジャー昇格後は毎年のように6~7名のゴルファーが参戦していましたが、最高順位は2007年の不動裕理と2008年の宮里藍が記録した3位タイ。半数の選手が予選落ちするというのも少なくありませんでした。
全英女子オープンが再び話題になったのは2019年のこと。この年は例年よりもはるかに多い9名の女子ゴルファーが参戦。その中で爆発的なスコアを記録したのが当時20歳、これが海外デビュー戦となった渋野日向子でした。
当初は予選突破を目標としていたというくらいに注目されていなかった彼女ですが、3日目には2位に2打差をつける首位に立つと、そのまま逃げ切ってなんと優勝!日本人女子ゴルファーによるメジャー大会制覇は1977年の全米女子プロゴルフ選手権を制した樋口久子以来となる42年ぶりの快挙を成し遂げました。
ちなみにこの大会後、渋野日向子に付けられたニックネームは「スマイルシンデレラ」。その後の彼女のバラエティ番組での活躍、さらには彼女を筆頭とした黄金世代の活躍は皆さんの記憶に新しいことでしょう。
ちなみに東京オリンピック後に行われた今年の全英女子オープン、日本人女子ゴルファーは7名が参加し、古江彩佳の20位Tが最高成績というちょっと寂しい結果に。果たして来年以降はどんな成績を残すのでしょうか?