改めてチェックしておきたい!ゴルフルール改正のポイント~その2
2019年1月から、R&A(全英ゴルフ協会)とUSGA(全米ゴルフ協会)によりゴルフ規則が大幅に変更され、JGA(日本ゴルフ協会)もそれに準じて日本国内のプレーについても新たなルールが適用されることになりました。中でも今回はペナルティーエリアやグリーンの場面で覚えておきたい新ルールを紹介します。
2019年1月1日より、「よりわかりやすく、親しみやすく」するため、R&A(全英ゴルフ協会)とUSGA(全米ゴルフ協会)はゴルフの新ルールの施行を開始。長年施行されていたルールを変えるものなので、2019年はゴルフ界にとって「改革の年」とも言われています。
以前と比べて「簡単になった」といっても規則は全265ページにも及ぶもの。さすがにすべてのルールを覚えるのは大変ですが、覚えられずにプレーすると周りに迷惑をかけてしまうことも。そこで今回はペナルティーエリアやグリーンなど、スコアに直結する重要なポイントのルール変更をまとめてみました。
知らないと赤っ恥!?なペナルティーエリア&バンカーの4ルール
プレー中のアクシデントといえば、バンカーなどのペナルティーエリア(以下、PA)に入った時。一刻も早く抜け出したいと焦るところですが…ここでもより簡略したルールが4項目導入されました。
○ルースインペディメントの移動可能&さらにPA内ならソールもOK
PAやバンカー内に石や葉っぱなどのルースインペディメントがあった場合、従来は除けることは許されていませんでしたが、新ルールでは、これらを移動することが可能に。ほかにもクラブをソールしたり、水面に付けたりするのもOKになりました。
ただし、ルースインペディメントを動かしたときにボールが動いてしまったらその時点で1打罰となりますので、注意しましょう。
○バンカー内で砂に触れてもOK!?
PAでソールが認められるようになったため、バンカー内で砂に触れても罰打がなくなりました。ただし、ストローク時のソールは従来と同様に禁止されているため、2罰打が与えられます。
○2打罰でのドロップが可能!
従来のルールでは、バンカー内にあるボールの救済措置として「ストロークと距離の救済」「後方線上の救済」「ラテラル救済」の3つがありましたが、新ルールではバンカー内でしかできなかったドロップを場合によってはバンカー外へドロップするという第4の方法が採択されました。バンカーに入っても、手こずることがなくなりそうです。
○PAの救済はラテラルと同様に
これまでゴルフ場内の水域は「ウォーターハザード」と「ラテラルウォーターハザード」とで救済措置が異なりましたが、新ルールでは原則、従来のラテラルウォーターハザードと同様の救済を受けられるようになりました。
新ルールでは赤杭などで示される「レッドPA」と黄杭などで示される「イエローPA」に分けられますが、原則としてレッドPAが用いられます。レッドPAでの救済措置は「元の位置から打ち直し」、「PAの縁を最後に横切ったと地点とホールとを結んだ後方線上の1点から1クラブレングス以内にドロップ」、「PAの縁を最後に横切った地点から2クラブレングス以内のホールに近づかないエリアへドロップ」の3パターンが用意され、この中から最適なものを選びます。
そしてイエローPAは「PAの縁を最後に横切った地点から2クラブレングス以内のホールに近づかないエリアへドロップ」が使えなくなります。また、従来は行われていた対岸の救済は廃止されたので注意しましょう。
覚えていないとタイヘン!な6つの救済ルール
続いては救済方法の変更点。気持ちを切り替えてプレーに臨む局面ですが、方法を誤るとさらにペナルティを受けることになるので、しっかり覚えておきましょう。
○救済エリアを決めるときは最も長いクラブを使うこと
クラブレングスを決める際、従来はどのクラブを使ってもよかったのですが、新ルールではラウンド中にプレーヤーが持っているパター以外の最も長いクラブを使用するように決められました。
○ドロップは膝の高さから行うこと
従来までは直立の状態で肩の高さからドロップするように決められていましたが、新ルールは立った姿勢から膝の高さに落としてドロップすることになりました。これにより救済エリアにボールが止まりやすくなり、ビギナーでも手軽に行えるでしょう。
ちなみにドロップする際は立った姿勢で行う必要がないため、より確実にボールをドロップするには膝を立膝にしてその膝の高さの位置からドロップしても問題ありません。
○救済エリアに止まるようにドロップすること
直立のままドロップする旧ルールではボールが2クラブレングス以内に落ち、さらに落下地点から範囲内に止まれば問題ありませんでしたが、新ルールでは救済エリア内にボールが落ちて、なおかつエリア内にとボールが止まらなければ認められなくなりました。
もしボールが転がってしまった場合はもう1回だけドロップできます。それでもボールが止まらない場合は再ドロップをしたときにボールが落ちた箇所にプレースして、プレーを再開します。
ただし、「救済エリア内にドロップしたが、ボールがエリア外に転がった」と「救済エリア外にドロップしたボールが救済エリア内に転がって止まった」場合は2罰打、1罰打とそれぞれペナルティがあるので注意しましょう。
○捜索時に誤ってボールを動かしたら、無罰でリプレースOK
ボールの探索時、誤ってボールを動かしてしまったというケースは誰にでもあることでしょう。従来のルールでは1罰打+ボールがあったであろう場所にドロップしないとなりませんでしたが、新ルールではペナルティなしのリプレースとなりました。
○救済時のボール交換はいつでもOK
今まではウォーターハザードやOBなどの罰ありの救済時のみボールの交換ができましたが、新ルールではよりいい状態でプレーを再開できるように無罰の救済時でもボールを交換できるようになりました。
○ジェネラルエリアは無罰で救済が受けられる!
以前まではフェアウェイの区域のみ救済を受けられ、ラフは対象外になることが多かったジェネラルエリア内ですが、新ルールではジェネラルエリア内ならどこでも救済はどこからでも無罰でピッチマークから救済を受けることができます。
ホールアウトまであと少し!グリーンで押さえておきたい4つの新ルール
順調にプレーが進み、ついにグリーンオン。勝負がかかる緊迫した場面に差し掛かりますが、そんなグリーンにもルール変更が4つほどあります 。
○ピン(旗竿)を挿したままのパットがOKに
今まではピンを挿したままパットして、ピンにボールが当たった場合はペナルティが課されていましたが、新ルールではピンを挿したままパットしてもOKに。ホールの位置がわかりやすくなるので、パットが苦手な方には朗報と言えるでしょう。
○グリーン面の損傷は修復可能!
今まではピッチマークやスパイクの跡を修復するのはご法度でしたが、2019年からは修復可能になりました。より良い条件でパットが打てるようになったのは喜ばしいことですが、自然の力によるグリーンの損傷は修復できないので注意しましょう。
○プレーの線に触れても大丈夫!
これまではプレーの線を触れる行為は以前までならNGでしたが、新ルールではプレーの線を改善しない限りはプレーの線を触ってもお咎めなしになりました。グリーンでプレーの線を確認するのが格段に楽になり、以前よりもパットの精度が上がったという方も増えたことでしょう。
○誤ってボールを動かしても無罰に
今までも多くのゴルフ場ではローカルルールとして採用されていましたが、グリーン上でボールを誤って動かしてしまった場合は無罰でリプレースするのが公式ルールとして取り入れられるようになりました。
新ルールをマスターして、いざプレーしよう!
…と、ここまで数多くのルール変更が行われた2019年のゴルフ界。ほかにも様々なローカルールも存在しますが、これだけ覚えておけばペナルティーエリアやグリーンではバッチリです!
ゴルフ場に行く前にはもう一度、新たなルールを是非チェックしておきましょう!